なぜ戦略が必要か?


 「なんで経営コンサルティングなんでやっている?」
よく聞かれます。一番素直な対応はぶしつけかもしれませんが、逆に問い返したくなります。
「あなただけで会社がやっていけるの?」
ということです。 「なんて失礼な!おまえは何様だ!若造!」 熱くなる気持ちは十分ご察しします。(たからこれ程単刀直入には決して言いません)
  でも事実をここで確認しましょう。

<事実その1>
中小企業白書によると 「ほとんどの企業はつぶれる」
<事実その2>
「ほとんどの企業はキャシュフローがマイナス」 資金繰りが楽だという人は何人います? 今までの右肩上がりの日本経済でも、企業の新陳代謝は驚くほどあります。 ましてや近年、リストラの嵐の中で何%の企業が残っていけるでしょうか?

  では一般的に企業が死んでいく理由は何でしょうか?
・資金繰りが続けられなくなった
・儲からなくなった
・社長が悪い
・・・・
多分意見を聞くといろいろな答えが返ってくるでしょう。

  かなり一般的ですが総合的に以下のまとめられます。
@やっていることが悪い
Aやり方が悪い

  前者@は事業ドメイン定義の話(経営戦略) 後者Aはマネジメントの問題です(経営システム)。 両者は必ずしもきっちり分離できるものではありません。その両方に深く関わることが経営者の仕事であることは言うまでもありません。
  このうち@は経営戦略、つまり"Strategies"の部分は今まであまり問題にされませんでした。 なぜかというと、日本の社会が官民一体となった製造業中心の成長経済にあり、競合他社を含めたステークホルダーとの共生を基本に全員が「そこそこ」成功する非常に恵まれた社会だったのです。それだけに平均的に何をやってもある程度何とかやっていける土台があったのです。
  しかし近年はいかに挙げるような劇的に外部環境の変化がありました。
・成長経済の終焉
・製造業からサービス業へのシフト
・価格破壊を含めたデフレ
・外資の大規模の進出
・景気の後退

  その結果、様々なプロセスを経るとほんの限られた企業が繁栄するようになったのです。その限られた企業をよく見てみると「多くは正しいことをやっている」、もう少し詳しく言うと「市場のニーズにあった製品・サービスを利益にのせて売っている」ということでしょう。 「アホか、お前、当たり前だろ!」 本当に「当たり前」でしょうか? 勝ち組からすると当たり前ですが、一般にはそれを当てはまらないのでしょうか?

  例を挙げましょう。以下の内一つでも該当する会社は要注意です!!

・10年前と同じ商品を同じ値段で売って、売れないと嘆いていませんか?
・売り上げ重視だけの経営で、累積赤字が毎年どんどん増えていませんか?
・収益を生み出さない本社ビルなどを持っていて、借り入れ返済に苦労していませんか?

「何をするか」「何を売るか」というのは大きな問題です。というのはその商品・サービスの利幅は業種によって決定されるからです。 例えば今世の中に加速度的に普及しているパソコンは作る側も、売る側もほとんど儲かりません。新規にパソコンメーカーになる企業は業務フローの劇的な短縮(DELLなどのダイレクト販売)か、人件費の劇的な低下(宗教法人の店?)がない限りキャシュリッチは成り得ません。つまり普通に考えればこの商売はおいしくないということです。 この「何を売るか」=「何をするか」という事業メインの定義を正しくできる人が世の中にいったいどれくらいいるのでしょうか?

  同様のことはマネジメントについても言えます。仮に「やるべきこと」が明確だとして、それを筋書き通り実行できる会社はそれほど多くはないと思います。人事の問題、権限の問題、関係業者との折衝などにより、実現されない事の方が実は多いのです。

これら諸問題を解決するにあたって、時には外部の専門知識が必要ではないでしょうか?この意味をこめてもう一度自問自答してください。

「自分達だけで経営はやっていけるのか?」

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